建物滅失登記とは何か

建物滅失登記とは、建物に関する登記を閉鎖する手続きのことです。対象となる建物を解体して、建物が無くなった場合、そのまま放置しておくと「登記内容(建物がある)と事実(建物はもう存在しない)に食い違いが出てしまう」という形になってしまうため、この申請をすることが義務付けられています。

建物滅失登記をしないとどうなる?

建物を解体しても、建物滅失登記をしなかった場合の問題点としては、登記上では建物が存在したままの状態になっているため「解体して、実際には存在しない建物に対して、固定資産税がかかる」という事態が発生する、ということが挙げられます。また、更地となった土地を売却しようとする際や、その土地を担保にお金を借りる場合などは、登記内容と事実が食い違ったままでは、不動産業者や金融機関はまず応じてくれないため、建物滅失登記が必要となるのですが、これが解体後の年数がたてばたつほど、必要書類の入手に支障をきたすリスクが高くなってしまいます。

また、近年では「建物滅失登記をしなかったとしても、市町村側が現地調査によって、建物の解体に気付く」というケースも増えています。この現地調査は、おおむね10月ごろから行われ、この調査によって建物滅失登記の申請を速やかに行うよう要請されることもあります。また、仮に市町村側の現地調査で気付かれなかったとしても、そもそも建物滅失登記は、解体後1ヵ月以内での申請が必要であることが不動産登記法で定められており、これを怠った場合は10万円以下の過料が課せられる可能性も出てきますので、「市町村にばれなければいい」という考えは慎むべきです。

居宅は空き家にしておいた方が得?

建物滅失登記をしないままだと、建物に対する固定資産税はかかりますが、その建物が居宅である場合は、「建物滅失登記後は、土地に対する固定資産税が高くなる」という状態になります。なぜなら、居宅が建っている土地に対しては、固定資産税と都市計画税の優遇措置がとられているからです。更地にして建物滅失登記をした場合、この優遇措置が適用されなくなるのです。とはいえ、「解体したのに、優遇措置を受け続けることを目的に建物滅失登記をしないまま放置する」というのは、節税目的で故意に解体の事実を隠した悪質な行為と見なされてしまうリスクもあります。ですからこの場合は、空き家状態であっても、次の買い手が見つかるまで建物は残したままにしておく、という手を使うことの方が多いです。

しかし、この空き家に対しても、平成26年11月に公布・平成27年2月施行の「空家等対策の推進に関する特別措置法」というものがあり、衛生上の問題や倒壊の危険性を抱えていると判断された空き家に対しては優遇措置を無くす、という流れになっています。「空き家状態になってからすぐに土地を売りに出しているので、買い手がつくのは時間の問題」という状態なら当面は空き家を残しておいても構いません。しかし、長年空き家のままで放置するとなると、この特別措置法の影響を受ける可能性が高くなりますし、近隣にも迷惑をかけてしまうこととなるため、解体と建物滅失登記をした方が好ましいと言えます。

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